北陸先端科学技術大学院大学・マテリアルサイエンス研究科 教授 高木 昌宏
2004年の日本人の平均寿命は、男性78.64歳、女性85.59歳、我が国は、世界一の長寿国とまでなりました。
またそれと同時に、戦後から現代の私たち日本人の食習慣は、歴史的にも経験したことがないほど、大きく変化しました。
これまでの、野菜、穀類、魚介類中心の和食文化から、パン食、肉類を中心とする食生活への変化、いわゆる「食の欧米化」が進んだのです。
そこにさらに追い打ちをかけるように、この10年程の間に、コンビニフードやファーストフードが我々の生活に入り込み、
「食のコンビニ化」とも称されています。
平均寿命は、確かに長いのですが、生活習慣の乱れから起こる病気などのリス
クは、
年々高まっているとすら言われ、その背景に、おそらく、「食の欧米化」、「食のコンビニ化」があると考えられます。
そして、その対極に位置するのが、清酒、みそ、醤油などの日本の伝統ある醗酵食品です。
これらの醗酵食品に、最先端の科学的な分析手法を取り入れることで、健康と美容に良い成分が、
次々と特定されつつあり、今後が期待されています。
つまり我々は、これら醗酵製品を、健康食品や機能性化粧品として先祖代々利用してきたと言えるのではないでしょうか。
歴史的に見ても、例えば美容に関しては、日本酒造りの職人さんの肌がとてもきれいであると言われたことに端を発して、 日本酒や酒粕が化粧品や入浴剤として用いられていたという記述が多く認められます。